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本当に本当に油断は禁物です!

今日も高校野球は熱戦が繰り広げられました。
岩手県大会決勝では、大船渡高校の佐々木君が登板なく花巻東に敗れました。
大船渡高校の国保監督は、大きな批判も覚悟の決断だったと思います。
周りはとやかく言うでしょうが、佐々木君も他の選手も納得してのことですので、良かったんじゃないかと思います。
佐々木君には、この経験をぜひ次の世界で活かしてもらいたいですね。

野球は試合が終わるまで、何があるか分かりません。
大差で勝っていても、9回に大逆転したということもあります。
2014年石川県大会決勝。星稜高校は、9回表を終わり0-8で負けていましたが、9回裏に9点を取り、大逆転で甲子園の切符を手に入れました。歴史的な大逆転勝利です。
このようなことは得てして起こり得ます。野球でなくても他のスポーツでも起こります。
ドーハの悲劇なんかはまさにこのような感じでしょう。
なぜ、このようなことが起こってしまうのでしょうか?

それは、勝っているチームと、負けているチームの心理面の差です。
星稜高校に負けたチームの監督は、試合途中で「勝った」と思ったそうです。
もちろん、監督だけではありません。あの星稜高校に大量8点差をつけて試合が終盤になると、スタンドもざわつき始めます。甲子園に行くバスの手配や宿泊先の手配など、「勝った」と思い、いろいろな動きが始まったそうです。
このことは選手にも伝染し、選手も「勝った」と思い、浮足立ってしまいました。
そりゃあ、そうですよ。夢にまで見た甲子園が目の前なんですから。しかも、9回裏を抑えるだけ。8回まで完封しているわけですから、普通に考えれば勝ちます。

一方、星稜高校は勝てると信じていました。9回裏の攻撃を残し、0-8で負けているにも関わらず、絶対に勝てると思っているのです。ですので、ベンチもスタンドも、負けを全く意識していませんでした。それよりも、大逆転して勝って、全員で喜んでいるイメージが頭の中で出来上がっていました。
結果、星稜高校は見事にイメージ通りに大逆転して勝ってしまいました。

心理面の大きな大きな差が勝負の差になってしまったのです。

相手チームは、油断したのです。
「もう勝った」と思ったのです。その瞬間、緊張感がある一定の水準を下回り、能力が発揮できない状態になったのです。そして、どんどん追いつかれだすと、「こんなはずはない」と焦リだし、ミスを発生し、負けに繋がったのです。
この、気が緩んでしまう状態を メンタルスペース と言います
メンタルスペースが生まれた瞬間、負けが決まってしまったのです。

一方、星稜高校は、6点取られるということを想定していたのです。8点までは想定していなかったようですが、それでも全く焦りはありませんでした。だって、想定内だからです。想定していたから、勝つ準備ができていたのです。8点取られても、勝つシナリオが事前にできていたのです。
スポーツも仕事でもそうですが、100%プラスの状況で進むことはありません。ピンチは必ずきます。そのピンチを事前に想定できているかどうかが勝負に大きく影響します。
起こるであろうマイナスの状況を想定して、それに対してどうアクションするかを事前に考えて準備しておけば、勝てるんです。これを危機管理と言います。
星稜高校は危機管理ができていたのです。ですから、8点取られても焦ることなく、「そろそろ勝つか」という感じで大逆転してしまったのです。

メンタルスペースが生まれると、急に全てがうまくいかなくなります。
仕事も同じです。順調に行っているときに限って、大きなミスが出て、急転直下でとんでもない事態になってしまうことがあります。
実は、うまくいっているときこそ、慎重に危機管理をしなければいけません。
事業がうまくいき、お金をたくさん儲けたときに騙されることが多いんです。
お金がない時は、1円使うのも悩みますが、急にお金が入ってくると何も考えず使ってしまいます。

仕事もスポーツも普段の生活も、危機管理を行い、メンタルスペースを防いでください。

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