病院・クリニック、中小企業がM&Aを成功させるための秘訣~事前準備の重要性~
病院・クリニック、中小企業がM&Aを成功させるための秘訣~事前準備の重要性~
M&A(合併・買収)は、病院・クリニックや中小企業にとって、成長戦略や事業承継の有効な手段として注目されています。 しかし、M&Aは複雑なプロセスであり、事前の準備を怠ると失敗のリスクが高まります。
今回は、病院・クリニック、中小企業がM&Aを成功させるために必要な事前準備について解説していきます。
なぜ事前準備が重要なのか?
M&Aは、企業の将来を左右する重要な決断です。 そのため、M&Aを成功させるためには、事前の綿密な準備が不可欠となります。
事前準備を怠ると、
●買い手との交渉が不利になる
●適正な価格で売却できない
●M&A後に予期せぬトラブルが発生する
●従業員のモチベーションが低下する
などのリスクがあります。
事前準備をしっかりと行うことで、これらのリスクを最小限に抑え、M&Aを成功に導くことができます。
M&Aを成功させるための事前準備
M&Aを成功させるためには、以下の事前準備をしっかりと行いましょう。
1.M&Aの目的を明確にする
M&Aを行う目的を明確にすることは、M&Aを成功させるための最初のステップです。
後継者不足の解消、事業拡大、経営効率の改善など、M&Aの目的を具体的にすることで、適切な相手企業の選定やM&A後の統合プロセスをスムーズに進めることができます。
なぜM&Aの目的を明確にする必要があるのか?
M&Aの目的が曖昧なままだと、以下のような問題が発生する可能性があります。
●適切な相手企業を選定できない。
●M&A後の統合がうまくいかない。
●従業員のモチベーションが低下する。
●M&Aの費用対効果が低い。
M&Aの目的を明確にすることで、これらの問題を回避し、M&Aを成功に導くことができます。
M&Aの目的を明確にするためのポイント
●M&Aによってどのような未来を描きたいのか、具体的なビジョンを明確にする。
●M&Aのメリットとデメリットを理解し、自社にとって最適な選択肢かどうかを判断する。
●関係部署や従業員とM&Aの目的を共有し、理解と協力を得る。
2.自社の企業価値を把握する
M&Aの交渉を有利に進めるためには、自社の企業価値を正しく把握しておくことが重要です。
財務状況、収益力、将来性などを考慮し、客観的な視点から企業価値を評価しましょう。
企業価値を把握するメリット
●M&Aの交渉を有利に進めることができます。
●適正な価格で売却することができます。
●M&A後のトラブルを回避することができます。
企業価値を評価する方法
企業価値を評価する方法はいくつかありますが、主な方法としては、以下の3つが挙げられます。
●DCF法(インカムアプローチ): 将来のキャッシュフローを現在価値に割り引いて算出する方法。
●マルチプル法(マーケットアプローチ): 類似した業種の企業の株価や財務指標を参考に算出する方法。
●時価純資産法(コストアプローチ): 企業の純資産を時価で評価する方法。
これらの方法を組み合わせることで、より正確な企業価値を算出することができます。
3.財務状況を整理する
M&Aを行う際には、買い手企業から財務状況に関する詳細な情報提供を求められます。過去の財務諸表や税務申告書などを整理し、正確な情報を迅速に提供できるようにしておきましょう。
財務状況を整理するポイント
●過去の財務諸表を最新のものまで揃える(最低過去3年分)。
●税務申告書、監査報告書などの関連書類も整理する(最低過去3年分)。
●財務データに誤りや漏れがないか確認する。
●買い手企業が求める情報に合わせて、財務データを加工する。
4.法務デューデリジェンスを行う
法務デューデリジェンスとは、M&Aを行う前に、自社の法務状況を調査することです。
契約書、許認可、訴訟リスクなど、法的な問題点を洗い出し、事前に対策を講じておくことで、M&A後のトラブルを回避することができます。
法務デューデリジェンスのチェック項目
●契約書: 重要な契約書の内容を確認し、有効性やリスクを評価します。
●許認可: 事業に必要な許認可を取得しているか、更新手続きに問題がないかを確認します。
●訴訟リスク: 係争中の訴訟や、将来発生する可能性のある訴訟リスクを調査します。
●労働関係: 労働契約、就業規則、労使関係などに問題がないかを確認します。
●知的財産権: 特許権、商標権、著作権などの知的財産権を適切に管理しているかを確認します。
※法務デューデリジェンスチェックシート例:中小企業庁「事業承継等事前調査チェックシート」
5.事業デューデリジェンスを行う
事業デューデリジェンスとは、M&Aを行う前に、自社の事業状況を調査することです。
事業内容、競争環境、市場動向、顧客情報などを分析し、自社の強みや弱みを把握することで、M&A後の事業計画を策定することができます。
事業デューデリジェンスのチェック項目
●事業内容: 事業の全体像、収益構造、競争優位性などを分析します。
●競争環境: 競合企業の状況、市場シェア、競争力などを調査します。
●市場動向: 市場規模、成長性、将来性などを分析します。
●顧客情報: 顧客属性、顧客満足度、顧客維持率などを分析します。
●リスク管理: 事業上のリスクを洗い出し、対応策を検討します。
6.従業員への説明
M&Aは、従業員にとって大きな不安やストレスを与える可能性があります。
M&Aの目的、今後の事業計画、雇用条件などを丁寧に説明することで、従業員の不安を解消し、協力を得ることが重要です。
従業員への説明のポイント
●M&Aの目的や背景をわかりやすく説明する。
●M&A後の事業計画や雇用条件について、具体的に説明する。
●従業員の質問に丁寧に答える時間を設ける。
●従業員の意見を聞き、不安や不満を解消するよう努める。
7.秘密保持契約を締結する
M&Aの交渉過程では、自社の機密情報を開示する必要があります。
秘密保持契約を締結することで、買い手企業が機密情報を漏洩することを防ぎ、自社の利益を守ることができます。
秘密保持契約のポイント
●守秘義務の対象となる情報を明確にする。
●守秘義務の期間を定める。
●違反した場合の罰則を定める。
●必要に応じて、弁護士などの専門家に相談する。
8.専門家のサポートを受ける
M&Aは専門性の高い分野です。
弁護士、税理士、M&Aアドバイザーなどの専門家のサポートを受けることで、M&Aをスムーズに進めることができます。
専門家を選ぶポイント
●M&Aに関する専門知識や経験が豊富であるか。
●医療機関や中小企業のM&Aに精通しているか。
●売手側の立場に立って、親身になって相談に乗ってくれるか。
●手数料体系が明確で、信頼できるか。
ただし、専門家を選ぶ際には、十分な検討が必要です。
昨今、M&A 専門業者(仲介者・FA)による仲介契約・FA(フィナンシャル・アドバイザー) 契約の締結に向けた過剰な営業行為や、不適切な買い手による M&A への支援を行っているのではないかとの疑義が生じる事象が散見されているなどトラブルが多く発生しており、中小企業庁が注意喚起を行っています。
選定の際には、士業等専門家に相談するなど、くれぐれも慎重に進めてください。
令和6年 5月 中小企業庁財務課 M&A 支援機関登録制度事務局
「昨今の中小M&A市場における動向を踏まえた周知・注意喚起について」
まとめ
M&Aは、病院・クリニックや中小企業にとって、後継者問題の解決や事業の成長、発展に繋がる重要な選択肢となります。 しかし、M&Aは複雑なプロセスであり、事前の綿密な準備を怠ると、失敗のリスクが高まります。
準備不足のままM&Aに臨むと、買い手との交渉が不利になったり、適正な価格で売却できなかったり、M&A後に予期せぬトラブルが発生したりする可能性があります。 また、従業員のモチベーション低下や顧客離れなど、企業にとって大きな損失を招く可能性もあります。
M&Aを成功させるためには、M&Aの目的を明確化し、自社の企業価値を把握した上で、財務状況や法務状況、事業状況などをしっかりと整理しておく必要があります。 そして、従業員への丁寧な説明や秘密保持契約の締結など、M&Aのプロセス全体をスムーズに進めるための準備も重要です。
M&Aをご検討されている経営者様は、ぜひ今回の記事を参考に、事前準備をしっかりと行い、M&Aを成功に導きましょう。
もし、M&Aについてご不明な点やご不安な点がございましたら、お気軽に専門家にご相談ください。 専門家のサポートを受けることで、M&Aのリスクを最小限に抑え、よりスムーズにM&Aを進めることができます。
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【企業価値の評価】
●客観的な視点から企業価値を評価し、適正な売却価格を算出します。
●企業価値を高めるためのアドバイスを行い、より有利な条件でM&Aを進めます。
【買い手探し】
●豊富なネットワークを駆使し、最適な買い手候補を探します。
●医療理念や経営方針が一致する相手を見つけ、M&A後のスムーズな統合を支援します。
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●契約内容を丁寧に確認し、リスクを最小限に抑えます。
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