ワクワク楽しいコミュニティの作り方
先日、とある企業の社長様よりご相談を受けました。
「うちの社員は自分のことばかり考えている。他の人を助けたり、協力したりという姿があまり見られない。忙しいせいかもしれないが、どうしたらいいんだろう・・・」
よくありがちなお話しです。
個々に大きな目標が与えられていたり、個々にそれぞれ多くの顧客がいたり、個々の業務が違っていたりなどすると、目標に対してピリピリしたり、助けてあげようと思っても内容が分からないからと躊躇したりなど、このようなことになってしまいがちです。
決して仲間に興味がないわけではないのでしょうが、いろいろなタイミングを逃してしまうと、関心が薄れていってしまい、冒頭の社長様のお困りごとのようになってしまいます。
このような状態になったとき、一体どうすればいいんでしょうか?
改善策を考える前に、そもそもなぜこのようなことが起こるのでしょうか?
それは、帰属意識が低いからです。
帰属意識とは、「組織に所属している意識を持つこと」を言います。
人はいろいろな組織(コミュニティ)に所属しています。
会社、家族、友達、趣味の集まり、学校、地域など。大きく言えば、国や世界も所属しているコミュニティです。
「組織に所属している意識を持つこと」がどういうことかと言いますと、家族であれば「私は家族の一員だ」、会社であれば「私は会社の一員だ」、学校であれば、「私はクラスの一員だ」と、組織(コミュニティ)に加わっているという意識・自覚・気持ちを持つことです。
組織(コミュニティ)は2人以上で成立します。1人は組織(コミュニティ)とは言いません。ただ、1人暮らしでワンチャン一匹飼っているとなると、もしかしたら組織(コミュニティ)と言うかもしれませんね。
それはさておき、組織(コミュニティ)には、良い組織(コミュニティ)と悪い組織(コミュニティ)があります。
良い組織(コミュニティ)とは、お互いが関心を持ち、会話があり、助け・支え合うような風通しが良いものです。
逆に悪い組織(コミュニティ)とは、お互い関心がなく、会話もなく、助け・支え合うこともない風通しが悪いものです。
冒頭の社長様のお話で考えると、社長様の会社は悪い組織(コミュニティ)に近いのかもしれませんね。
我が家は、奥さんとの会話がまだかろうじてありますので、今のところは良いコミュニティに近いかもしれませんが、私がなにか奥さんの機嫌を損ねることをしてしまうと、一瞬で悪い組織(コミュニティ)になってしまいます。
世のお父さん、気をつけてください。
では、どうすれば良い組織(コミュニティ)になるのでしょうか?
それは、「役割意識」を持つことです。
「役割意識」とは、「その組織(コミュニティ)の中で自分が果たすべき役割」のことです。
我が家ですと、私の役割はゴミ出しです。曜日ごとに異なるゴミを集めて、収集車が来るまでに忘れずに出すことが役割です。ゴミ出しだけじゃないですよ。他にもいっぱいあります。
みなさんもお家での役割はたくさんあるでしょう?
では、会社ではどうですか?
会社でいろいろなお仕事をしていると思いますが、総務とか経理とか営業とか、普段の仕事はここでは役割とは言いません。
では、役割とはなんでしょう?
例えば、仕事の合間にみなさんにお茶をいれるとします。お茶を飲んだみんなが「Aさんがいれたお茶、いつもすごく美味しいねー!」と毎回言ってくれたとします。すると、「美味しいお茶をいれるとみんなが喜んでくれる」と思うようになり、「美味しいお茶」をいれることがAさんの役割意識になります。
窓際に鉢植えの花を置きますが、いつもすぐに枯れてしまいます。Bさんがお世話を始めた途端に、花が咲いている期間が長くなりました。「Bさんが育ててくれている花、いつもキレイだね!」すると、Bさんは、「いつもキレイな花でみんなに癒やしを届けよう」と思うようになり、「いつもキレイな花が咲いているようにお世話をすること」がBさんの役割意識になります。
「じゃあ、なんかみんな役割を持とう!」と言って、○○係、○○係、などを作ってしまってはなんの意味もありませんのでご注意ください。
このように、帰属意識を持ち、役割意識が生まれると、最高のすばらしい組織(コミュニティ)になります。
そのためには、社長やリーダーがみなさんを受容することです。受容されてこそ、帰属意識と役割意識が生まれてきます。
みなさんが関わる組織(コミュニティ)が、ワクワク楽しいものになることを祈っております。